11月23日,デジタルハリウッド大学で行われた「萌えてはいけない。」というシンポジウムに行ってきた.パネラーはいしかわじゅん氏,大月隆寛氏,岡田斗司夫氏,夏目房之介氏,笹峯あい氏,杉山知之氏に加え,スペシャルパネラーに富野由悠季氏を迎えての,3時間どっぷりと濃いトークを聞いてきた.
トーク前半戦は,アニメ「うる星やつら」をベースに,パネラー個々が考える萌え,今の萌えを考える上で過去の重要な出来事を振り返るなどのトークが主体であった.後半は野村総研の人が持ってきた,萌えと経済の関連性から,政府のすすめるコンテンツ産業の政策や日本国外のアニメのかかわり,アニメ・コミック制作現場の問題点を追求するという,大雑把にまとめるとこんな感じのトークを聞いてきた.
3時間のトークを聞いていて感じたのは,「今の萌えについて,もっと議論すべきテーマが多すぎる」ということと,「萌えという言葉を軽々しく使ってはいけない」ということであった.今の萌えに関しては,過去の漫画やアニメから脈々とつながっていることと,どういう文脈から出たかは忘れたが「『うる星やつら』を超える作品はない」という指摘など,オーディエンスに永久の宿題を突きつけられたような感じである.書いてて何がなんだかよく分からなくなってきたが,「萌え」という言葉は一言では語りつくせないほど,いろいろな意味を含みすぎている,といった言葉だあると思う(まとめようとしたら本にして何冊も書けそうな気がする).
なお,このイベントの模様はどこかで放送されるらしい.しかし,今回のトークは放送禁止用語連発で,1分間でピー音が何回も聞こえそうな気がしてならないと,パネラーが心配していた.それをぶっちゃけるのもどうかと思うが,事実なのだから仕方がないといえば仕方がないのだが.