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美少女ゲームはゲームかどうかに関する考察

via: 美少女ゲームは「ゲーム」なのかITMedia News).

美少女ゲームの構成が,「ストーリーを追い,選択肢が時々出てくる」だけのゲームが大半らしい.「らしい」と表現したのは,オイラがこの類のゲームをやらない(というか,最近は家でゲームをやらなくなったというのが大きいが)ので,どうともいえないが,こういうフォーマットを採用する美少女ゲーム(エロゲー含む?)が主流となっているらしい.

このニュースを読む限りでは,ギャルゲーとは,何となく「かまいたちの夜」の登場人物がより具体的な人(キャラクター)として登場しているのではないかと思う.ただし「かまいたちの夜」をやったのはスーパーファミコン版だけど.

閑話休題.

美少女ゲームは,「登場人物」「背景」「テキスト」の3要素(これらに音声が加わる場合もある)があれば,基本的にゲームは出来てしまう.あとはストーリーと,どのような人物を登場させるかだけでゲームは完成してしまう(こんな極端なゲームの作り方はしないと思うが).制作者側からすると,恐らくこのフォーマットに合わせた方が作りやすいってこともあるし,プレイヤーサイドもどのゲームも操作方法がだいたい同じなので,操作マニュアルを読まなくてもだいたいのことが出来てしまうだろう,と思うのだ.

他にも,美少女ゲームに限らずゲームには話のスタート(冒頭)とゴール(エンディング)は必ずあることを考えれば,美少女ゲームもゲームと言えるのではないか,と思うのだ.

例えば「スーパーマリオブラザーズ」では,マリオ(ルイージがいる場合もある)がクッパからピーチ姫を助け出すのが目的のゲームである.その目的を果たすためにマリオ(orルイージ)を各ステージのスタートからゴールまで進めてクリアする必要がある(例外はあるが,ここでは述べない).

この方法で美少女ゲームを考えてみると,主人公は何らかの形で美少女と出会い,告白したり,結婚したり,エッチしたりなどバリエーションはあるが,最終的には特定のキャラといい関係になったり,望みもしない終わり方をしたりする.大きなゲームの流れはこんな感じになると思うが,この流れを細かく分けると,1日・1週間・1ヶ月などの期間で起こる出来事を,選択肢を交えつつあーだこーだ考えて,そのゲームのセクションを進めて行く.

このことを無理やりまとめれば,以上のプロセスを踏めば,結局美少女ゲームも他のゲームも「ゲーム」と言い切れるのではないか,と思うのだ(制作者・プレイヤーにその意識はない人がいるかもしれないが).

ゲームのシステム的には以上の説明で考えることは一応出来るが,美少女ゲームのもう一つの側面について書いてみたら,元記事の東浩紀氏の考え方に似てしまった.しかし,敢えて載せることにしよう.

(削除候補開始)美少女ゲームのもう一つの側面としては「想像(妄想とも言う)」がしやすいという側面もあるだろうと考えられる.先述の通り,美少女ゲームは「登場人物」「背景」「テキスト」で出来ているが,これらを現実のものに置き換えると,「(あるかどうかは知らないが)食材は用意されてるけど,調理はお客がやるレストラン」と言えるのではないだろうか.「登場人物」「背景」「テキスト」があれば登場人物の声が脳内から聞こえてきたり,別のストーリーを妄想できたり,他人とストーリーを共有できたりする(同人誌という形で表われる場合もあり).自分の中だけではなく,他人とストーリーを共有できたりするというのが,新たな遊び方として楽しめるところまできているのではないだろうか.(削除候補終了)

今の美少女ゲームは,自分が楽しむだけではなく,他の人と共有する遊びを生み出したことが大きいと思える.今後,このスタイルのゲームは残っていくと思うが,新規ファンを獲得したいならば,既存のフォーマットや新しいフォーマットを組み合わせて,新しい美少女ゲームを作っていく必要があると思う.

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